Rio

ウインド・リバーのRioのネタバレレビュー・内容・結末

ウインド・リバー(2017年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

自然の脅威とそこに気丈に生きる人間。そして相反する人間の浅ましさと弱さ。最終的に自然が全ての運命を飲み込んでいく様。何より後悔を背負い、その痛みを受け止め前に進んでいく父の強さを感じた。

本作で扱われているテーマは現代のアメリカが抱える問題であり、アメリカの影の部分である。様々な問題の裏に隠れ、恐らく後回しにされ臭い物に蓋をするかの如く目を向けられにくい問題なのだろう。

支援も何も期待できないこの地で、唯一の外部者であるエリザベスオルセン演じるFBIのジェーンの目を通し、そこで起きている問題に目を向け体感することができた。
ジェーンが事件の背景を理解していくとともに我々も理解を深めることができる。

カメラワークや音楽も素晴らしく映画に緊張感を与え、より映画の中に入っていくことができた。

劇中は辛く暗い場面も多いが、ジェレミー演じるコリーの最後の決断が素晴らしくまたジェーンのラストの台詞が効いていて、思いのほか不快感を残さないすっきりする結末だったように思える。

全てにおいて満足できる映画だった。
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