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ウインド・リバーのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

ウインド・リバー(2017年製作の映画)
3.5
[アメリカ迫害の歴史を追え、フロンティア三部作③] 70点

レナーとオルセン姐さんの共演となれば見ない選択肢はない、と一年くらい前から張っていたが漸く日本公開されたので行ってきた。シェリダンが脚本も担当しており、「ボーダーライン」「最後の追跡」と併せて"フロンティア三部作"と呼ばれているとのこと。あんまり共通点を見出だせなかったけど(そして二個目は未見だけど)、気にするほどの事でもなさそう。

ワイオミング州のネイティブアメリカン居住地で少女の遺体が発見され、FBIの新人捜査官ジェーンが呼ばれる。彼女は三年前に同様の手口で娘を亡くした第一発見者コリーと共に捜査を始める。やがて捜査線上に浮かんだ一人の男がふたりの運命に絡んでくる。

巷では犯罪捜査ドラマが浸透し、二時間のサスペンスを描くには足りないような状況に慣れ親しんだ人間が多い現代においてシェリダンは中々優秀な脚本を書いていて、マクドナーとか一応マッカリーとか含めて脚本畑出身者の映画はスクリプト重視な私と相性がいい。
ネイティブアメリカン居住地の話であれば「ツイン・ピークス」「キリング(米版)」などで描かれており、国は違えど「トップ・オブ・ザ・レイク」なんかではマオリの少女の失踪を女性刑事(モス姐さん)が追う、という本作品と似通った内容であった。ちなみに、見切ったのは「キリング(米版)」のみ。残りは時間と予算の都合上リタイア。

個人的にテーマは"居住地の閉鎖性"ではなく"アメリカの迫害の歴史"であると思うのでシェリダンは余計なエピソードを加えず一本勝負で骨太なサスペンスを組み上げている。ただ一つ残念な点を挙げるとすれば、「スリー・ビルボード」でも思った"残った子供の存在感の薄さ"だろう。あっちはそれを含めて色々雑だった分、テレビドラマ的な展開も望める&余白を楽しめる映画だったが(勿論描写不足と言われても納得する)、本作品では"コリーが娘を亡くした後この世に残らざるを得ない理由"みたいな立ち位置になっていた気がする。或いは、コリーとジェーンをくっ付けないための抑止力かな。

ワイオミングのド田舎の雪景色は上手く撮れていて、血の色も映える(そんなに出てこないけど)。一番のお気に入りシーンは、オルセン姐さんがショットガンで吹っ飛ばされるとことその後の銃撃戦だね。突然の爆音とか耳が弱いから飛び上がっちゃうんだけど、今回はレナーが警告する親切設計だったから安心。冒頭の猟のシーンで飛び上がったのは内緒。

やっぱりオルセン姐さん可愛いからスカーレット・ウィッチ目当てでアベンジャーズ見ちゃうんだけど、今回も安定の可愛さ。エミリー・ブラントとかオルセン姐さんとかシェリダンは私の好みを知っているらしいね。
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