伊緒

ウインド・リバーの伊緒のレビュー・感想・評価

ウインド・リバー(2017年製作の映画)
4.8
久しぶりに映画を観ていて"怖い"と思いました。アメリカの見放された土地、ウィンドリバー。鹿児島ほどの広大な土地に警官はたったの6人。もし人が死んだとしても、丸一日は見つからない。一生見つからないことさえある。夜は零下30度になる。そんな過酷な場所で人が生きて行くということ。

理解した気になって観ていたけれど、町山さんの解説を聞いたら、ちっとも理解できていなかった自分が恥ずかしくなりました。結局、私もジェーンと同じ平和ボケしたよそ者だったんだと感じました。

サスペンスとしても、ノンフィクションとしても、ヒューマンドラマとしても、父親の話としても、どこをとっても秀悦。完璧でした。女の私にとってはホラーでもありました。胸を思いっきり掴まれて揺さぶられるような力強い作品。色んな人の人生がぶつかり合って、それでもこれから彼らがこの土地で生きて行くという、事実。
伊緒

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