Kazu

ウインド・リバーのKazuのレビュー・感想・評価

ウインド・リバー(2017年製作の映画)
4.5
この映画を観る前にアメリカの複雑な警察システムや背景にある問題を知ってから見ると凄く分かりやすいので解説を見てから鑑賞する事をお勧め致します。
と書いてたんですがやっぱり観た後でも良いのかもしれない。
敢えて説明されるのでは無く映画を観て感じる方が良いのも。
一応載せときます。

https://miyearnzzlabo.com/archives/50620
https://cinemarche.net

ここから感想
いやー重すぎる。。
この地域では静寂しかないのにその静寂が本当に怖い。
1秒後何処から銃声がして自分が死ぬかもしれないなんて日本に居たら到底感じる事は出来ない。
実際画面を通して感じる事なんて本物と比べたらほぼゼロでしか無いと思う。
でもこの地域特有の怖さを静寂と耳を劈く様な銃声によって良く表していて観ているだけだけど本当に怖かった。
これが実話なんて信じたくないけど実際あるんだろう。
実話に基づいた映画って最後に犠牲者とかを具体的な数字で示すけど犠牲者数すらも分からなくて国が調べようともしない事に深い闇を感じる。
ネイティブ・アメリカンへの差別を国がしてる限り人種差別なんて無くならないだろう。
ジェレミーレナー演じるFWS(合衆国魚類野生生物局)が強過ぎてカッコ良かった。
彼が強過ぎるのもこの土地の怖さなんだよね。
先住民と共に生きてはいても、FWSの政府職員である事への葛藤や国に対するある種の諦めをジェレミーは良く表していた。
アメリカには未だに西部劇時代から変わってない程の地域があり、それ程の格差や差別がある事を知る事が出来、自分の無知を反省した。

テイラー・シェリダンは「この作品は成功しようが失敗しようが作らなければならなかった映画だ」と語っている。
そして同時に「誰も、わざわざお金を払って説教くさい映画を見たくはない」と考えており、「観客を楽しませる事が真っ先に来なければならない」と語っている点にテイラーシェリダンの本物さを感じる。
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