エリオット

ウインド・リバーのエリオットのレビュー・感想・評価

ウインド・リバー(2017年製作の映画)
4.3
自ら住んでいた土地を白人に奪われ今なお劣悪な環境の居留地に追いやられたままのネイティブアメリカン(先住民族)
恒常的な差別や貧困は若者の働く意欲を失わせ犯罪が起きても真実の解明さえ困難な状況…

「ボーダーライン」「最後の追跡」の脚本家として一躍脚光を浴びたテイラー・シェリダンはこの問題をストレートに取り上げるには自分が監督として撮るしかないと思ったとのこと

ただ社会問題を告発するにも、あくまで主人公たちのパーソナルな物語を中心に、男女2人の変形的バディ感を出しつつ、美しい自然の中で不意にバイオレンスな展開が訪れるなど、観客の興味を惹くエンタメ作品として非常に丁寧に作られていて地味な運びのわりに全く飽きさせない

今にも爆発しそうな強烈な怒りや憎しみを秘めつつ他人には繊細な優しさを見せるジェレミー・レナーが素晴らしく、同じ境遇の先住民族の父親(ジル・バーミンガム)との場面が本作の肝となっている
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