このレビューはネタバレを含みます
アメリカの暗部を描いた映画。と一言で言えるかもしれないけれど、実際見てみると壮絶。恐ろしく息苦しい見捨てられた土地の現実と、希望の見えない悲劇を目の前に突き出される。
ハンター親父とインディアン親父の友情。ハンターとFBI捜査官の師弟タッグ犯罪捜査。一触即発の西部劇。パニッシャー。心に染み入る台詞。静かで広大な雪景色。謎がわかるまで油断させないジョン・バーンサル。個人的にはベストアクトだと思う、激渋なジェレミー・レナー。一瞬だけ凄いセクシーなお尻を見せるエリザベス・オルセン。
本当に全ての要素のクオリティが高い。最後ちょっとふざけましたが笑
いきなり牙を向くチンピラ、ドア越しのショットガン、防弾チョッキプラス超防寒装備の拳銃弾の通らなさ、スナイパー、沢山ある訳ではないが、銃撃戦も凄まじいクオリティ。緊張感がやばい。
それにしても法の届かない土地での集団レイプ事件てマジで怖いですね。FBI捜査官が銃持って5,6人応援引き連れて捜査に来ても反撃して全員殺して証拠隠滅しようとするってのは、性根が腐りきってて恐ろし過ぎる。。。
希望にはならないかもしれないけど、過去に深い心の傷を負ったジェレミー・レナーの存在がとてもとても良い。
病院のベッドでエリザベス・オルセンの涙ながらに語ったセリフが物凄い心に響く。二回見ましたが、二回目だと最初の詩がやばくて、これだけで泣いてしまいそうになる。彼女が本当に気高い、強い女性であったことに感動する。
そして最後に出る文章がね、もう本当に酷い。この映画はフィクションではあるけど、絶対に同じ様な事件が起こってるんだろうな……
ジェレミーの「(周り全部が敵に見える)それは俺も感じる。だが、俺は感情と戦う。社会には勝てない」みたいな台詞と、娘を殺された友人に語る、喪失との向き合い方は、心に残りました。