Gouka

ウインド・リバーのGoukaのネタバレレビュー・内容・結末

ウインド・リバー(2017年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

白き地獄にて


どえぐい話だった…
白い地獄のような地を生きることを押し付けられた先住民族の子孫たち
愛する家族を、幸福を奪われてなお這うようにして生きなければならない遺族
悲しみばかりが押し寄せるようで
犯人たちへの怒りが湧いても、無情さに虚しさが湧いて来て
…ようやれんわ…と
苦しくなってしまった…
復讐の景色すら、虚しい。
あんな状況で必死に生きもがこうとした彼女のことばかり考えてしまう。
10キロ、10キロか…

じぇれみの演技が素晴らしかった。
タフな男の中身に潜む膨大な悲しみの輪郭がはっきりと見えたラスト付近の目の力。
彼女の遺族、特にお父さんの嗚咽がしんどかった…
エリザベス演じる捜査官の一生懸命に仕事を全うする眩しさと、彼女が直面したものに己を保とうとする眼差しが好きだ。
あと振るわれる暴力の乾燥した撮り方が好き。
シナリオの、暴かれてしまえば数行で済んでしまう中身に潜む苦しさをひしゃくで汲んで鑑賞者の喉にざらーっとする感じが怖いくらいに良かった。
Gouka

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