しん

ウインド・リバーのしんのレビュー・感想・評価

ウインド・リバー(2017年製作の映画)
4.0
骨太で濃厚。
コンビ探偵物の様な体裁を取りながら、その実完全に西部劇と化していく。
シンプルに淡々と事件の真相が描かれていくが、主人公2人のキャラクター設定が絶妙で退屈にはならない。
レナーの怒り、やるせなさといった感情を内に収める演技がとても良い。
世界には勝てない。だから感情と戦う。
その言葉の重み。彼の過去、ネイティブアメリカンを覆う闇が深い。
終盤の狙撃シーンは圧巻。西部劇の様なガンアクションからのレナーの制裁は溜飲が下がる。最後の決着の付け方も熱い。
テイラーシェリダンはボーダーラインもそうだが徹底した作家性があるなと思う。それはアメリカ社会の闇で暮らす人々を描くという部分に通じるのだろう。
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