脚本家テイラー・シェリダンはぶれないですね。
基本的な構成は『ボーダーライン』と似ています。
キャラクターの関係性だったり、話の流れだったり。
でも、それがテイラー・シェリダンの凄いところだと僕は思います。
それは同じ様な映画しか作れないとかそういうことではなくて、一見すると全くの別物に見える社会の問題が実は同じ闇の元に生まれているという証明なのでは。
世の中にある闇を深いところまで描き出しているからこその共通点なんだと思います。
メッセージ性だけでなく、場面の見せ方も素晴らしいです。
雪国の恐ろしさとかもすごく伝わってきて良。
一見綺麗なんですけどね、雪国。楽しそうだし。でも実際住んでみればね...
特に今作の登場人物たちのようにそこに隔離されて閉じ込められると考えれば、あの作文は非常に心痛い。
で、その環境の恐ろしさというのは社会が抱える闇と密接に関わってくるんです。
悪人が「こいつは悪人です」で終わらないのがテイラー・シェリダン。
「どんな理由があってもやってはいけない」で思考が終わっていない。
どんな理由があってもやってはいけないことは大前提で、そうならざるを得なかった環境や背景を丁寧に描いているからこそ、そのメッセージ性が刺さるんだと思います。
今、社会で起こっている問題はその犯人だけが悪いのでしょうか。
犯人が作り上げられたことに僕たちは本当に関係ないのでしょうか。
『最後の追跡』まだ観てないから早く観ねば...!