クライマックスの緊迫感が凄まじい。
まるで 「赦し」と「贖罪」という普遍的なテーマを徹底的に追究した傑作 「スリー・ビルボード」への、 「普通の人間の生々しい感情」サイドからのカウンターパンチを観ているようです。
あまりにも理不尽な事件に巻き込まれて大切な人を失ったとき、 我々はどのような道を選べばいいのか …
もちろんこの映画にその答えは用意されていません。
ワイオミング州、 ウインドリバー先住民保留地。
そこは一定時間呼吸しただけで肺が凍って破裂する極寒地獄。
そんな最果ての地に閉じ込められたネイティヴ・アメリカンの人々の絶望感と閉塞感が心に刺さりますね。
徐々に加速する話運びの巧さと、 それを形にしていく俳優たちの仕事ぶりが素晴らしい。
なかでも、 とんでもない修羅場を経験することになる未熟なFBI捜査官をエリザベス・オルセンが熱演しております。
「厳しすぎる大自然の中にいきなり放り込まれた都会育ちのお嬢さん」という場違いな立ち位置から、 みるみる成長していくリズがいいですね。
彼女が演じるジェーン・バナー捜査官の活躍をシリーズ化してほしいなあ♪