もももももす13

ウインド・リバーのもももももす13のネタバレレビュー・内容・結末

ウインド・リバー(2017年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

見終わって、
歯を、くいしばる。

簡単に整理のつけられない感情が腹の中で渦巻いて、苦しい哀しい。
清々しさ1.5割くらいあるけれど。

監督、脚本 テイラーシェリダン
アメリカ社会の闇に切り込む三部作(それぞれに相関無さそう)の3本目。
前作2作(ボーダーライン、最後の追跡)は脚本のみで監督せず。
前作2作も観てみなきゃ!


さーて、良い映画でしたけど、考えさせられる哀しい映画でしたので、色々、感情がうおぉおお!ってなって、口が汚くなってます!個人的意見振りかざしてます!嫌な気持ちになる人もいるかもしれません!すいません!それでははじめ!



ロスから来れるところに、こんな寒いとこがあるの...?ワイオミング州。ロッキー山脈あたりぽい。
実際にネイティブアメリカンの保留地がある。

雪と山。
雪の中で凍って死んでいる若い女の子。
どうして彼女は死んだのか。

犯人は誰?!とかじゃない。
いや、犯人探しはするけれど。

ジェレミーレナー、めっちゃ良い。
エリザベスオルセンも、良い。

エリザベスオルセンのアウェイ感。

ジェレミーレナーとナタリーのお父さんの会話。
苦しみ抜け。。。

印象的なシーン多数。

そして怒涛の後半へ。

もう、後半30分、呪い殺せるなら呪い殺してやる、あいつら。って思って、思いすぎて、ハゲそうになる。(ジェレミーレナーがすっきりぶっぱなしてくれる、ありがとう)

ナタリーと彼氏の悲劇の前のひとときが、キラキラすぎて、余計に悲しい。
ナタリー守ろうとする彼氏にも涙出る。

もう、個人的な怒りですけど、
お酒に飲まれる人、まじでキライ。
死ぬほどキライ。
いや、私は死なないからお前がどうぞあの世へ、って思う。笑
理性失わない範囲で飲めよ。
嗜めよ。
大人だろ?
酔ってて覚えてませんとか、は?
酔った勢いで、人傷つけて、覚えてませんとか、酒のせいとか、は?
嫌なことは酒飲んでも消えねぇよ。
むしろ金かかるだけだよ。
酒に逃げんなよ。
酒のせいにするようなやつは、ロクな根性してねぇから-20度の中、裸足で走ってこいよ。

いい歳した大人が酒に酔ったからって、同僚を死ぬまで殴るとか。クスリもやってたのかな?
何が友達、だよ。クズめが。
あと、集団心理。
あの中で、彼氏のほかに、1人でも冷静なやつがいたら。。。
みんなナタリーにありつけてラッキー的なのどうかしてる。人じゃないよね、君たち。

君たちの今、置かれてる環境なんて知るかよ。
ジェレミーレナーの言葉を借りれば、自分で選んだ結果でしょ?
何がなにもないだ、女と無縁だ、だよ。
ナタリーの彼氏はナタリーと出会えて付き合ってるやん。笑
お前らに人としての魅力がないからじゃないのー
しかも、それがナタリーとその彼氏にしたことの言い訳になるとでも?笑
そーゆーとこですよー
人のせいにして、人を妬んで、人に求めるばかりで。
目の前の楽しみと、嫌なことから逃げることを選んだ結果でしょ。
自分で選んだ結果なんだから、耐えて、好ましくない状況なら、耐えて状況を打開するためにまた選べばいい。
それをしないで逃げて人ばっかり傷つけて。そうすると自分に自信が無くなるから、簡単な道しか選ばなくなる。登るのはキツいから、下へ下へ、下っていく道。
果てには何があるのかね。

1人、逃げた奴への、フェアにアンフェアなの最高。 
逃がすって、何想像してたのお前。
ちゃんとどっかに連れてってくれるとでも?
人としてあるまじきことしといて自分だけ助かろうと考えるあたりが、人としてあるまじきことが出来る所以なのですね、はい、クズ。

普通ならものすごくスカッとするはずなのに、この映画はそうさせてくれない。
ナタリーは強い子だった。
同じ状況で10km走った。
凍てつくような寒さの中、裸足で、肺胞が破れて肺が凍って自分の血で窒息して死ぬまで、走った。
お前は100mももたないだろうな。
ここのジェレミーレナー痺れる。

お前が死んだところでナタリーは帰ってこないしな...
10km走ったことを想像しただけで、エリザベスオルセンと同じ状態になる。
彼女は強かった。良い子だった。
なのにどうして。
悔しい、不条理すぎて哀しい。

映画の公式ホームページが残っていて、監督のインタビューが読めます。
映画が作られた背景や、ネイティブアメリカンの環境について、理解は深まるけれど、不条理感も増す。
テイラーシェリダンが成功しようがしまいが、映画化しなければ、というのも納得の映画なのです。

人が人である限り、アメリカだろうが日本だろうが、殺人も強姦も、酒に酔った馬鹿事件も無くならないだろうけど、みんなが人に優しければ、社会が人に平等であれば、少しは減らないかな、哀しいこと。
まぁ、人が人である限り、ほんとうに平等なんてあり得ないと思っている私ですが。。。