天豆てんまめ

ウインド・リバーの天豆てんまめのレビュー・感想・評価

ウインド・リバー(2017年製作の映画)
3.8
1日の最後にかなり重いがいい映画を観た。ウィンドリバーと呼ばれる先住民族の居住区域は一面雪に閉ざされた世界。果てしない広がりの地域でわずかな保安官しかおらず、自治権も認められているので警察が取り調べもされない。更に失踪者が統計されていないネイティブアメリカン女性のあまりに重い現実がある。

娘を失ったハンター、ジェレミーレナーはFBIのエリザベスオルセンと共に雪山で死した娘の友人女性の死の究明へ。マイナス20度で走ると肺が破裂する。他殺ではないが彼女はレイプされた後、雪中を逃げてある地点で息絶えた。その犯人とは、、クライマックスの恐ろしい銃撃戦の果てに、復讐の結末を見据えるジェレミーレナーの眼差しと追い詰め方に唸る。しかしアベンジャーズコンビの演技素晴らしい。サスペンススリラーのようであるが娘を亡くした男の深い人間ドラマでもある。絶望の中で強く生きる本物のタフさを体現したレナーの凄みが見事としかいえない。