ウインド・リバーの作品情報・感想・評価

「ウインド・リバー」に投稿された感想・評価

ズシッと来た。こういう映画を観ると自分はまだまだアメリカという国を、というか世界のことを何も知らないんだなあと痛感させられる。

インフィニティー・ウォーにもMIフォールアウトにも参加していなかったジェレミー・レナーは、肺も凍るような極寒の土地でこの世の暗部に殺意をみなぎらせていたのでした。
miumiu

miumiuの感想・評価

4.3
アメリカ先住民が追いやられた土地「ウインド・リバー」で見つかった少女の遺体から端を発する事件捜査の物語。

評判の高さから楽しみにしていた作品。
元妻と家族がネイティブアメリカンで、ハンターを生業とする主人公にジェレミー・レナー、FBIから派遣された若手捜査官役はエリザベス・オルセン。

雪深い町の閉塞感。過去に起きた悲しみを抱えて生きる主人公、捜査の緊迫感、結末まで重くて見応えのあるドラマだった。
少女の死の真相も悲しく辛くリアル。事実をもとにしているということで、実際には解決せず埋もれてしまう事件が多数あるんだろうな。
キャストもピタリと嵌り、正義感が強いだけでなく人間味のある役を見事に演じていた。

(余談)ライフル銃をビシバシキメるジェレミー・レナー、説得力ありまくり。
Ryosuke

Ryosukeの感想・評価

4.2
確かに西部劇のようだなぁと他の方のレビューを見てそう思いました。
内容ほとんど忘れてますが、ボーダーラインのエミリーブラントと今回のFBI捜査官、デルトロとジェレミーレナー、共通する点があったような気がします。
すごい食い入って、夢中になって観ることができました。被害者のジャンキーの兄貴の台詞が印象的だった。「アメリカ最大の失敗」ネイティブアメリカンの現在など色々と勉強になりました。
R

Rの感想・評価

3.8

このレビューはネタバレを含みます

映画館で。

2018年の洋画。

監督は「最後の追跡」の脚本も務めたテイラー・シェリダン。

あらすじ

ワイオミング州ウィンド・リバー保安地。野生生物局職員のコリー・ランバート(ジェレミー・レナー「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」)は荒野のど真ん中で裸足で凍死した少女を発見する。事件の捜査のためにFBIから派遣された捜査官ジェーン・バナー(エリザベス・オルセン「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」)と共に捜査を開始するランバートはネイティブ・アメリカンの村社会の闇に直面していく。

シネマトゥデイでこういう作品やりますっていう記事で初めて知った時は「へぇー、面白そう」くらいだったんだけど、絶賛拝聴させてもらってる「アトロク」のムービーウォッチメンでリスナーさんが紹介していたメール内容でものすごく興味を惹かれて、近くの映画館でタイミング良くやっていたので観ました。

なるほど、評判に違わず面白かった。

舞台は、ワイオミング州ということで、調べてみると他の州よりも乾燥していて、気温差が大きいらしく、冬場は冷え込む時はものすごく寒いらしい。そんな環境下ということもあって、今作全編とにかく寒々しい。日本での公開は夏場の7月だったが、俺が観た時は10月の半ば、しかもコート着用するくらいの冷え込む日だったので、なかなかに臨場感があり、観ているだけで観客であるこちらの息も白くなりそうな雰囲気を醸し出している。

加えて、昔からインディアンの民族が住んでいたということもあり、土地柄やそこに住まう人々のネイティブ感もあって、異国感もあった。

さて、主演を務めるのはホークアイでもお馴染みジェレミー・レナー。アベンジャーズやMIPほっぽりだしてこんな小規模な作品に出てんかと思ったら、相棒がスカーレット・ウィッチことエリザベス・オルセンかよ笑。

今作でも、なんとなーく「エイジ・オブ・ウルトロン」の時のような気の合った感じが見受けられて、心地いい関係。はよ、アベンジャーズにも戻ってきて!!

ただ、物語全体のトーンとしては殺された少女がレナー演じるランバートの友人マーティン(ギル・バーミンガム「最後の追跡」)の娘だということがわかり、ジェーンが知らせに行くシーンで気丈に振る舞いつつも、後からやってきたランバートが訊ねると我慢できずに悲しみの嗚咽を漏らすシーンで、やはりインディアンという強い部族のイメージがあっても父親なんだなとしんみりさせられたり、あまり笑えるシーンがないことから、なかなかに陰鬱。

そして、やっぱり辺り一面雪景色で寒々しいこともあって、閉ざされた世界観が一層閉鎖的な印象を与える。

けど、代わり映えしないからといって決してつまらないわけではなく、2人が徐々に真相に近づいて行く感じがたまらなくイイ。

そして、迎える最終局面、どうやら殺された娘さんの彼氏のマット(ジョン・バーンサル「スウィート・ヘル」)が務める警備会社?の寮に応援の男衆を連れて向かうジェーン。

関係ないけど、バーンサルが出るとは思わなかった。前情報なしで「おっ!」と思わせる人選が絡む作品ていうのがあるが、バーンサルも「おっ!」と思わせてくれるような俳優さんになったんだなぁと感慨に耽るw

スマートだなと思ったのが、ジェーンがノックすると答える側(バーンサル演じるマット)の視点=過去のシーンにスイッチするんだけど、その自然なシーンの切り替わりに唸らされる。

そこで、事の発端である事件の真相が明かされるわけなんだけど、その前段階からピリついて一種即発ムードだった現場がジェーンのノックを導入剤としての、不意なショットガンの銃声で、遂に戦場と化す!!

近距離の銃撃戦はあるは、マシンガン乱射するわ、遠距離からはランバートが正確なエイムでの狙撃するわで、一瞬片田舎だということを忘れるくらいの血で血を洗う抗争が勃発し、まさに息を飲むようなスリリングさ。

それまで、一貫して静かなムードを漂わせていただけにその急転直下型のシーンの勢いに興奮を隠せなかった。

事件の首謀者にランバートが下す制裁も、まさにこの身も凍るような環境だからこそ為せる「刑」であって、なんつーか西部劇チックで落とし所としても溜飲が下がった。

そんな感じでほぼほぼ全編楽しめたのは事実だが、あらすじでも書いた今作の根幹というかテーマである「ネイティブ・アメリカンの村社会の闇」というのが、ここ日本に住む自分にとっては縁遠く、多分深いテーマ性を孕んでいることはわかるが、え?ネイティブ・アメリカン関係なくね?そりゃうら若い乙女がレイプされて殺されたら事件だし、ネイティブ・アメリカンだからといっても家族が悲しまないわけじゃないし…あ、もしかしてジェーン以外のFBIの応援が来ないのとか関係あるのか?とか色々考えちゃったのがちょっと残念だった。

もっとそこら辺勉強すれば、社会的な意味合いでも真の意味で本作を楽しめたのかもと思ったら、ちょっと損した気分になる一作だった。ただ、それでもちゃんと面白いですっ!!
Iri17

Iri17の感想・評価

5.0
北部版『スリー・ビルボード』の様な作品。自然の美しさと厳しさを壮大に描き、人間の愚かさや醜さ、それでも生きていく人々の力強さを大自然をバックに描いた作品。

ネイティブ・アメリカンの保留地を舞台にした作品というのはかなり珍しいと思う。ネイティブ・アメリカンの保留地というのはアメリカの暗部であり、現在に至るまで司法が行き渡らない無法地帯である。トーマス・ジェファーソンの絶滅政策によって、ネイティブ・アメリカンは故郷の土地を奪われ、白人にとって不要な土地に追いやられた。そこに住むネイティブ・アメリカン達は殺されても、レイプされても裁かれないことが現状だ。
この作品の人たちは善人も悪人も、いわば見捨てられた人たち、孤立した人たちだ。未来に希望を持てない人たち、正当な権利を受けることができない人たち、援助を受けることが出来ない人たち、何の楽しみもない人たちだ。

1人の女性が吹雪の中冷気を吸い込んで死亡した。彼女を殺した何者なのか。その真相は見えているものだけではない。その裏にもっと根深いものがある。
そしてこれは現実である。決して誇張ではないアメリカが抱える悲劇と恐ろしさがこの作品は描いている。

なぜ僕が北部版『スリー・ビルボード』と言ったのかというと、1人の少女の死が終盤にあるものを生み出したからである。
それは映画を観て1人1人が感じて欲しい。
そして他人事だと思わないで欲しい。アメリカは先住民を隔離し、追いやったが、日本人は尊厳を奪ったのだ。そしてそれはアメリカより進んでいるからこそ、問題として扱われないのだ。アイヌや琉球に日本人がしたことを皆さんはどのくらい知っていますか?

この作品に描かれていることを詳しく知りたければ、ネイティブ・アメリカン保留地、トーマス・ジェファーソン、ワイオミング州の歴史を調べた方がいい。そうするとさらにこの作品の悲劇を知ることが出来ると思う。
あーち

あーちの感想・評価

4.0
やっと回収。ありがとう、HAT神戸!

純白の雪の美しさと残酷さ
luna

lunaの感想・評価

5.0
ようやく観ましたよ!
何ヶ月溜め込んだって感じですが
レンタルでいいやんなんて言われてもしょうがないです。


でもね、一言いいですか

この最強コンビが次いつ観れますか?
奇跡が起きない限り、見れませんよね。


序盤は、先入観を取り除き見れるか自分と葛藤してましたが
師弟としてのホークアイとワンダのスピンオフですか!?っていう気持ちに負けました‥

でも、物語が進みに連れ、
そんな考える隙もないくらいでした

あの極寒の雪の上を裸足で10km‥

そのワードが出るたびに心が痛みました

国の目を瞑っても瞑りきれない闇の事情。
完全に内部を見ているようでリアリティがありました。
今作で取り上げていたのは先住民保留地問題
〝アメリカの最大の失敗〟なんて言われてるなんて知りもせずに‥
こういう歴史に関連する作品は知識も必要ですよね。
それを映画にしている監督も凄い

あんな広大な土地に対して6人の警部なんて
住民の数ではあっているのかもしれませんが無理ですって。
そこでおっきな車で登場したFBI役のエリザベスオルセンが
どれほどヒーローに見えたか。
また、ジェレミーの存在感。圧巻でした。


自分には知らないことが未知数にあるんだと思った作品でした
lgKaoring

lgKaoringの感想・評価

4.0
ウインドリバー先住民居留地という広大な土地で起きた少女殺人事件を追う物語。

ホラーかよと思うほどの不穏な音楽。
それに重なるスノーモービルの爆音が、より一層緊張感を煽る。
なかなか重厚な作品。

まるで西部劇だなと思って調べたら、町山さんが「たまむすび」の中でその事を語っており、腑に落ちた。

そしてアメリカの複雑な警察の仕組み。
まず日本でいうおまわりさん的なのが市警察官。
そして、良く映画やドラマで出て来る保安官はなんと警察官ではないらしい。地元の人に選ばれた人なんだと。全く知らなかった。
そして州には州警察。
その上に連邦警察(FBI)。
こういう仕組みだから州とか市を越えるとそれぞれの警察はそれ以上捜査出来ないんだとか。
で、今回の舞台、先住民居留地っていうのは連邦政府の土地だからFBIが出てくるんだと。

これを理解してから観ていれば解りやすかったかも知れない、と後悔。
その事も、この映画のテーマとなったアメリカの闇も、まだまだ知らない事(知るべき事)が沢山ある。
観ておくべき映画だと感じた。
Luck don't live out here.

※ネタバレしてます

タイラー・シェリダンによる「フロンティア三部作」最終章。インディアン保留地:ウィンドリバーで起きた”事件”を入り口に、元来人の住むべきでない過酷な土地に追いやられ、その場所に縛り付けられた人々の声なき叫びを拾い上げ、消えてしまった人々の魂を鎮める映画。

気が狂いそうになる静寂と白が支配する光景の中、物語の展開も場面の展開もとても静かだ。その分、ある瞬間に爆発する感情や炸裂する暴力の度合いもより凄まじいものになっている。特に、クライマックスで挿入されるカットバックと、続く凄まじい銃撃場面の爆発力には目を見張るものがある。そしてそれらが、この物語と背景になっている現実を象徴している点も見逃せない。ミステリやサスペンスではあるものの、「犯人が誰か」が実はそれほど重要ではなく、寧ろその状況に至らしめた、環境が孕んだ暴力性と無関心にこそ光を当てようとしている。

ジェレミー・レナーのベストアクト。『メッセージ』を超える好演。静かにじっと耐え、目を逸らさずに見つめ続ける”ハンター”のコリーは、何よりその目線の語りが雄弁だ。決して非人間的な超人ではなく、消えない傷を手放さずに抱きしめ続けることで、ウィンドリバーという過酷な自然と人の負の情念が混じり合った怪物と対峙することを選んだキャラクター。

ジェレミー・レナーに負けず劣らず、エリザベス・オルセンも素晴らしい。スカーレット・ウィッチとして見慣れてしまっているけれど、寧ろ本作で演じたFBIの新人捜査官ジェーンのような役が合っている。ジェーンのキャラクターが、ありがちな”無能な”新人捜査官ではなく、若く優秀で覚悟もあるが経験がやや浅い、という塩梅であるところがとてもよい。確かに、ある瞬間まで彼女はウィンドリバーに暮らす人々が「人間である」ということにやや鈍感であったが、調査のため訪問したマーティン(ギル・バーミンガム)の家にて、その当たり前の事実を生々しくまざまざと見せつけられ、己の無神経を恥じ入るのだ。そして、あの瞬間は我々観客もジェーンと同じく、その当たり前の事実によって思い切り殴りつけられる。

アバンの、月下を泣きながら走る女性。続く、事件の幕開けとなる、雪原で肺が破裂して死亡していた女性。それらは、何かやや他人事めいていて、あの瞬間まで物語といての出来事や事件だった。しかし、マーティンがドアを出て、コリーに対して感情を爆発させる瞬間にジェーンと共に遭遇することで、死んだ彼女は間違いなく誰かの、即ちマーティンの娘であることを思い出すのだ。頭でわかっていた筈のそのことに対して、自分が全くコミットメントできておらず、いつの間にか、まるでニュースを眺めるような鈍感な心持ちでいたことに対しての後悔と、この事件に、この土地にくらいついてやろうというジェーンの決心に観客は一体化する。ジェーンを介して観客をウィンドリバー自体に接続する構成は、何が起こっているかまるでわからない、蚊帳の外の人としてのケイトとは全く違う役割だ。

事件の”解決”後、見舞いに訪れたコリーとの対話の中で、ジェーンが殺されてしまった少女:ナタリー(ケルシー・アスビル)の闘いを讃え、泣く場面もまた素晴らしい。既に結末を知っている出来事の道程を知り、体感することで、他人事のようだった事件が、確かにそこに存在していた人間を襲った悲劇と闘いであったことを、ジェーンも観客も理解する。
ずん

ずんの感想・評価

4.2
凍てつく寒さの中 走る 何処へ

何があったのか 犯人は誰か
見つめるべき点がそこではなく、その土地全体を覆う闇だったことに気づいた時、取り返しのできないことをしてしまった気分になった

そこは、広いようで狭い世界に閉じ込められている
決して守られてはいない場所だった
そして人を腐らせる場所だった

彼女は最後まで生きることを諦めなかった
外の世界を見せてあげたかった
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