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イレブン・ミニッツのKEYのレビュー・感想・評価

イレブン・ミニッツ(2015年製作の映画)
3.7
『ドニーダーコ』とかデヴィッドリンチが好きな人に全力で進めたい映画。

と言ってもピンと来ない人に説明すると、今作は分かりづらい映画なのだ。リンチとは違って特にお洒落でもない特徴の無い映像に最初に受けた印象は、「何だか面白くなさそうな映画だな〜」と言うアバウトだけど的確なものだった。それでも観続けたのは、単なる好みの問題だろう。

何がリンチ的かと言うと、映画の構成にある。今作は群像劇であり、とにかく不条理で終わりの見えない映画なのだ。

「この物語は午後5時から始まり、5時11分に終わる。」

今作をDVDのパッケージの「イエジースコリモフスキ監督、うん年ぶりの待望の最新作‼︎」と言う言葉に煽られ、「誰だよそれ‼︎まあ、面白そうだしいっか!」と前知識なしで観賞。
今初めて予告を観たのだが、今作は午後5時に始まり5時11分に終わる物語らしい。
タイトルと、たまに映される時計からなんとなくわかっていたのだが本当にそう言う設定だったとわ…
とあるホテルの11階の1111号室では、ある映画監督とある女優がプライベートで会うことになっていた。
それと同時刻別の場所で、ある男はある女に犬を渡す。
それと同時刻に別の場所でホットドッグ屋はある女に唾をかけられ、それと同時刻に別の場所でバイク便の男は5分遅れて荷物を届けようとしていた。
11分の間色んな場所ですれ違う彼らの終着点はどこなのか?

エレベーターで羽ばたく蛾、空に浮かぶ黒い点、窓にぶつかる鳩、ビルの間を低空飛行する飛行機、11という数字。これらは何か意味があるのかもしれないが、意味なんて無いのかもしれないのだ。普段通り上手くいっているはずの人生の一片で起こるバグ、それは文字通り虫(bug)かあるいはハエのクソ程度のことなのかもしれない。
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