まりぃくりすてぃ

イレブン・ミニッツのまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

イレブン・ミニッツ(2015年製作の映画)
1.0
駄作は滅べ。何様よ?

これを「11分間の現実」として受け取ることは、生理感覚的に不可能。悪い意味で不可能。つまんなすぎる上に不可能。
一見、スピーディーにドラマの技を繰り出しつづけてるみたいだけど、国際大会で横行してた“ポイント狙い柔道”みたく、すべて“掛け逃げ”。本当の技なんて一つも出てない。
こんなの作って何様よ?


ただの平凡なカップラーメンしか持ってきてないくせに、目の前に「カレー味」「シーフード味」「とんこつ味」から「ポミドロバ味」「グジボヴァ味」まで幾種類も“特製ヌードル”並べた詐欺師(家爺とかいう名前)が、一個一個のカップの蓋を開けては閉めて開けては閉めてこう言うんだよね。
「さあさあ、お嬢さん、ここに並べたカップラーメンは麺もスープも凄いですよー。世界最高の六つ星シェフたちの腕を結集した味でしてねー。お湯をほら、注ぎましたから、あとは11分だけ、ほんの11分、待っててくださいねー。ほーら、もうこう言ってるあいだに30秒経過だ。ところで、僕の田舎はポーランドなんですけどねー、しばらく田舎には帰ってなくて。ええ、ちょっと心はすっかりアメリカナイズされちゃいましてねー、自由主義商売っていうのはいいもんですなー、いや、まあ、故郷を離れた人間なんてみんなそんなもんですよねー。あ、30秒経過したと思ったらまだ20秒だった。ごめんなさいよ。いえ、ほんのあと10分40秒ですよ。ちょっと腕時計の調子が悪くてねー。ところでお嬢さんは、世界一長いホットドッグって何メートルだと思います? 教えてあげるから、ちょっと耳を貸してくださいよ。可愛い耳だこと。ふふ、厭なら厭で『ノー』って言いなさいよ。え、セクハラ? あなた、そりゃないよ。こう見えても僕ぁ身持ちの固い男でしてね。耳たぶの一つぐらい触らせてくれてもいいじゃないか。あ、ところでさっきの話だけどね、203・5メートルもあるんですよー。びっくりしたでしょ? ところで、僕は昔、救急隊員だったんだけどね、そこでいろいろ怖い思いをしちまってさー、ある妊婦がね、夜中に死にかけてたんですよ。その横で亭主がイビキかいて起きないんですなあ」
そんなどうでもいい言葉をベラベラベラベラ吐き流した男の前で、やっと11分(実際には81分も)経ったからもう食べれる、と思ったら、いきなり窓の外へとそいつが三つ四つのラーメンをぶちまけちゃって、シレッとした顔で言う。
「あれ? 落ちちゃいましたネー。……しょうがないから、この砂嵐味のキャンディーでも召し上がります?」
「ふざけんな!」
まだ何も食べてないお腹グーグーの私は、ハイキックでも浴びせたくなる。