LalaーMukuーMerry

奇跡の教室 受け継ぐ者たちへのLalaーMukuーMerryのレビュー・感想・評価

4.3
これは、フランス版「フリーダム・ライターズ」(2007)です。決して二番煎じとケチをつけているのではなく、ほとんどそっくりといってよいストーリー展開に驚いただけ。素晴らしい作品です。以下は「フリーダム・ライターズ」に書いたレビューをほとんどそのまま、固有名詞をちょっと変えただけの、本作へのレビュー。
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パリ郊外の高校の荒れたクラスの描写にまず度肝を抜かれます。肌の色、ルーツ、宗教の違う生徒達、移民の多いフランス社会の歪がそのまま教室に持ち込まれ、争いが絶えない教育現場。こんなクラスで授業なんかとてもできそうにない…
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だから途中から、先生によって生徒達が変わっていく姿にすごく感動しました。自暴自棄になりかけて社会に感心がなく、ホロコーストという言葉さえ知らなかった生徒たちが、ホロコースト博物館を訪れてユダヤ人差別を知って、自分に投影させ、自分なりに理解し、自分の言葉で表現を始め、変わっていくのです。
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これは、人が「変わる」ことを描いた物語です。人は変われるからこそ素晴らしい。そのきっかけをつくる先生って素晴らしい。とてもいい涙が流れました。
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アンヌ・ゲゲン先生のtrue story。こういう先生が世界中に出てきたら、おそらく世界は変わるだろう。時間はかかるけれど、世界を根本的に変えるのは教育です、政治ではありません。人が変わらなければ世界は変わらないのだから。