エンポリオ

帝一の國のエンポリオのネタバレレビュー・内容・結末

帝一の國(2017年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

煮える情熱漢の世界。
夢を叶え、権力を手にしようとする野望を抱く者が集う海帝高校の生徒会。思い描く将来を手繰り寄せるためには生徒会長になることが必須なのだが。
強いて主人公を挙げるのであれば、帝一以外にはいないだろうが、帝一を軸にしながらもキャラクターがそれぞれ奥深く、多角的な群像劇に仕上がっている印象を受けた。
戦前から脈々と継ぎ合わされている日本の派閥政治に連なる作品世界の舞台を学園に設定することで物語に無理を言わせない学園モノが作り出されている。それぞれの思惑が這い回り、絡み合う関係性は政治の動きを風刺しているように捉えることも出来るが、寧ろこの作品が持つ陽のエネルギーは、政治はこんなにも面白いのだ、というメッセージを浮かび上がらせているように感じられた。
物語としての紅一点の存在と政治の集団における女性の存在とがもう少し噛み合うような描写があればより完成度の高い作品になっていたようにも思えた。
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