あらた

帝一の國のあらたのレビュー・感想・評価

帝一の國(2017年製作の映画)
3.6
スタッフも演者もみんな同じ方向に振り切っていて清々しい。
中でも、菅田将暉と吉田鋼太郎の大げさ演技合戦はくだらなさすぎて笑える。テストの自己採点とかもうほんとに馬鹿馬鹿しくてどうしようもなくおかしい。何やってんだ、こいつら。
日本映画の大げさな演技は悪いものとして語られることが多いが、こうした狙いが明確で成功しているものはとても良い。

脚本はいまいち。
「森園さんを選挙で勝たせる、帝一が自由な生き方を父親に阻害されている、暴力に立ち向かえない、彼女を大事にできない」とけっこう問題が立て込んでいるわりに、そのいくつかは決着が曖昧。
特に「自由に生きられない」の結末は納得できず。最後にピアノ弾いたからOKってわけじゃないのでは。最後まで帝一の異常な上昇志向は変わっていないわけだし。
弱肉強食という物語内論理と一般的な社会道徳との両方に目配せしようとした結果、どっちつかずになった印象。
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