ベルサイユ製麺

ひるね姫 〜知らないワタシの物語〜のベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

2.8
最近漠然と「劇場用アニメには他の物で得難いムズムズが有るな…」と感じだし、味をしめて借りてみました。事前情報カイム。カイム外伝です!♪ひ〜とり、ひ〜とり、カイムー(カイムー)♪
神山…監督の、字面だけは知っています。

観始めてビックリ。ファンタジーだ!…あ、いや違う。現実とファンタジーが並行しちゃうやつだ。おー、忙しくなってきたぞー。ふむふむ、登場人物がみんな意地悪そうな顔つきなのだな。声の感じからすると、俳優を声優に起用するパターンのやつだな。
しゃべり言葉が実家の方の訛りに近いなぁと思ってたら、地元が舞台でした。…普通でしたら「地元が舞台!地元最高‼︎」ってなるのでしょうが、自分は地元が大嫌いで逃げてきたクチなので、まあまあ不愉快です。そもそもあんまり方言が上手くも無いなぁ。
どうしよう。心が全く波立たない。ザッハトルテの表面みたいにツルツルです。
…そもそもこのお話はどういった層をターゲットに作られているのでしょう?子供向けにしては分かりやすい娯楽性が薄いし、主人公と同年代向けには刺激が薄すぎるでしょう。それより上の年齢層向けって事は無いですよね?SFアニメに免疫が無いと、何を描きたいのか汲み取りにくいですし、アニメファンのコア層にとっては圧倒的に食い足りないのでは?…どうも、これに夢中になっている人の姿が想像出来なかった。
単純に拙いと思ったのは、現実と主人公の夢を行ったり来たりする構成です。夢の中の出来事は一部現実とリンクするようなのだけど、その法則性が全く不明瞭なのですよ。劇中で描かれる危機一髪の出来事も、大概は夢の中で起こっているので緊張感が全く無い。現実に於いて考えられるシナリオを最大限に悪く想定しても、まあどうでもよい…。お話を通して、主人公が別段成長しない。その他の登場人物も魅力が薄いなぁ。さらにフェティシズムみたいなものも感じ取れなくて、本当に製作者はこのキャラクターたちに愛情を持っているのか疑問です。動きだしたぬいぐるみのティピカルな言動は噴麺ものです…。
…などと連ねた呪詛じみた言葉は、まあ好みの問題かもしれないので、的外れなら謝ります。が、唯一、絶対に許せないのはエンディング曲。『デイドリーム・ビリーバー』は内容にもある程度即しているから分かるのですが、カバー曲にするのならZERRYの訳詞を使うんじゃないよ‼︎そんな軽いものじゃないですよ、マジで。

あ、主人公の声は高畑充希さんでしたね。残念ながらあの高畑充希をしても、キャラクターを魅力的に見せる事は出来なかったようです。

心情的にはスコアはもっとグッと低いのですが、アニメ映画の平均値が分からないのでこのぐらいにしてみました。“劇場用アニメならなんでも良い訳では無い”と、またもや当たり前の事を学びましたね…。もっと歪で情熱的な作品が観たいのです!