【デッドプールに与えられた免罪符】
中指立てながら叫びまくってるデブガキを、非常識な大人が窘める映画。これ本当に面白いです。
マーベル映画でありながら世界を救うなんて仰々しい目的もなく、ましてやメインのヴィランが不在であるという点もこれまでのマーベル映画とは全く毛並みが異なる所であります。ブライアンシンガーとサイモンキンバークが率いるX-MENシリーズのスピンオフと言う事ですが、実はデッドプールが初登場するX-MEN ZEROにはこの2人は絡んでいません。実際作中でも無かった事にされてますしね💦
前作の約2倍の予算が与えられた今作。監督はCG畑出身のティムミラーからスタント出身のデビッドリーチに交代しやや不安は感じたものの殺陣の演出は非常にスタイリッシュでコミカルでした😊しかし今作は冒頭でデッドプールも断っている通りファミリー映画なのです。アクションは落ちたかなぁ〜って代わりにキャラクター作りが本当に徹底されていました。
①
ウェイドがテキトーに集めたX-FORCEの面々は劇中最悪の扱い方で最高笑いをとってくれます。実は登場時間に対して何十倍もの撮影時間がかかっています。全て理解した上で出演してくれる役者さんの懐の深さ!というかノリの良さ😆特に一般人のピートが最高で、製作側は彼のスピンオフを一瞬考えたそうです。
②
デッドプール達の戦闘って周囲の無関係な人絶対殺してるでしょ。ドミノなんてあれだけ破壊して何も気付いてない感じで。他のヒーローは咎められたからソコヴィア協定が結ばれたのにこいつらは涼しい顔でバーで酒を飲んでいます。
③
メインのヴィランが不在といいましたが、実は刑務所でウェイドと戦うブラックトムがメインヴィランとして考えられていました。しかし彼の能力はとても派手でCGを作る予算が足りなかったのだそうです。なので代わりにジャガーノートが出てくる事になりました。しかもキャスティング費用削減のためレイノルズが声を担当しています。
原作では人気のキャラクターを贅沢に使ってしまったり、ヒーロー映画の掟を無視したり、ジョシュブローリンという悪戯もいいとこの配役したり、製作の裏話を公言してしまっても、この映画だから許される免罪符があるのだと思います。それは単に暴言を吐くのではなく、いじりやおちょくりに知性を垣間見れたり、製作者側の愛が感じられるからだと思います。
そしてこれだけ笑わせてくれてラストではしっかり涙を流させてくれる。実はこんなに感動的なラストってマーベル映画では初めてかも😓