つかれぐま

デッドプール2のつかれぐまのレビュー・感想・評価

デッドプール2(2018年製作の映画)
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<雑多が生む多幸感>

メタネタが前作から更に増量。マーベルやDCに留まらず、007とかMIPとか、ここ10年くらいのアクション映画サンプリング集みたいで楽しかった。

キーになる新キャラ・ケーブルを<サノスの中の人>が演じた何重もの意味とか。

そしてあらゆる被差別キャラ&ネタを投入し、「本当のことを言い過ぎる男」デッドプールが、「差別はいかんぞ」とほとんど言い掛かり(笑)のようにストレートに説いて回る。全てを失った(前作でやっと手にした小さな幸福さえも)彼が言うと、なんだか許されちゃう免罪符が。ドミノを「ブラックブラックウイドウ」って呼ぶのは笑った(しかもそれ「元妻」だし、ああややこしい!)閑話休題。そうして誕生したチームの多様性が、冒頭に書いたような映画としての雑多な感じと上手く噛み合っていたね。

で、気づいてみれば、前作では利己的な行動をしたに過ぎなかったアンチヒーローが、成り行きとは言え利他的なヒーローになるという意外にも王道な着地。そんな「啓示」をしたヴァネッサとあんな形で再会するとは・・。「ケアレスウィスパー」の次は「テイクオンミー」なんて、もう笑うしかない。そんなオジサン接待も楽しかったよ。