島袋健太郎Office叛樂代表

デッドプール2の島袋健太郎Office叛樂代表のレビュー・感想・評価

デッドプール2(2018年製作の映画)
-
僕の中で、急激にライアン・レイノルズ熱が沸点に達して、どうしても「デッドプール2」を観たいという衝動に駆られてTSUTAYAでまさかの「1」をレンタルしたしまうという失態。
からのテンションがダダ下がりの状態で鑑賞。
…だがオープニングからブチ上がる。

本シリーズの凄いところは容赦ないジョークと80年代の微妙だが、今の時代なら「アリ」な選曲に乗せて人体を切断しまくるところ。まさにR指定のヒーロー。
だけども。本作が人気なのは。
その悪ふざけが、必然であり、切実そのものであるからだ。

前作はそのおよそ恵まれている、とは言い難い境遇のライアン・レイノルズ演じるウェイド(デッドプール)たちが。自らの小さな尊厳のためにストイックに戦う。そして妥協なく徹底的に戦う、というのが通底していた。

本作はそれをより掘り下げ。尊厳を奪われてもなお、生き続けるということの試行錯誤。それをデッドプールなりにあがき続ける物語になっている。
持ち前の悪質なジョークと暴力と音楽演出に入り込むのは、運命やら現実やらの前で「どう生きたらいいんだ?」という葛藤であり。
前作で自分の容姿が変貌したぐらいで、恋人の前に顔を出せなかった実は超繊細な「俺ちゃん」は、彼なりのやり方で「真のヒーロー」になろうとする。
その悉くの失敗の数々に涙したり、爆笑したりしながら(X-FORCEの件は唖然とした)物語は進む。

特筆すべきは、ヴィランのケーブル。
彼が無骨な戦闘ルックの傍らにある熊のぬいぐるみをぶら下げているだけでもう号泣。
ジョシュ・ブローリンの演技にジンワリしつつ、デッドプールの「黙れサノス」に爆笑。

所謂どんでん返し的展開はやりようによってはシラケてしまうが本作は、それらの展開の1つ1つがまさに、ライアン・レイノルズ自身の人生にも重なり、また、ヒーローになるべく模索してきたデッドプール自身。そして彼が求めてきたものや、自身の尊厳に根ざしたひとつの到達点として涙なしには観られない。
実に感動的。

敢えて難点を言えるとすれば、過剰なジョーク、小ネタの応酬でマニアックなボケが続くし。ヒーローネタなどは場合によっては滑ってしまって物語の繊細なバランスが壊れているのでは?と思うところもあるが、僕はそこはあまり気にならなかったし、より悪質な感じに振り切れていて好感をもったぐらい。

特に。
エンドクレジット中の展開は、もう。
涙なしには見られない。
デッドプールと、ライアン・レイノルズが。
まさにヒーローとして一体化して。
物語と現実をまさに往き来するメタフィクションなヒーローとして決定的な幕切れだった。

とにかく感動の一作。