Kazumi

ビルマの竪琴 総集編のKazumiのレビュー・感想・評価

ビルマの竪琴 総集編(1956年製作の映画)
3.9
戦地に響く音色がこんなに美しいことがあるかな。
その美しさが悲しみを増幅させる。
気がついたら死体に囲まれていた水島の、その画面の悲しいこと。

昔の映画のテロップは、洒落臭い感じがして好きになれない。
映像で表現できないことを文字にするなんて、言い訳めいてると思ってた。
でも、この言い訳は最小限で効果的だと思った。
モノクロフィルムでは、本物の色を感じることはできなかった。
もしかすると、岩土は茶色か黒かと思っていた。
茫漠とした自然を行く様は大画面で味わいたい。
訪れたこともないのに、ビルマの大地が目の前に現れる。

河岸で出会ったお坊様と三角山のお坊様は別人なのに水島のムドン行きを何故知っているのか、竪琴弾きの小僧が聞いてもいない収容所への道を何故指し示すのか…
河岸からパゴダのシーンに切り替わる時の音がブツッとなってたり…
前後編の時は繋がっていたのかな。
総集編ではバッサリ絶たれている。
前後編は国立映画アーカイブにも残ってないし…50年早く生まれたかった…。
犬神家を撮り直したなら、こっちも再編集して頂けないでしょうか…。
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