くろねこヤマ子

マシュー・ボーンの「ザ・カーマン」のくろねこヤマ子のレビュー・感想・評価

3.6
美しい肉体の強さ。
コンテンポラリーダンス。

身体表現の豊かさと
人の絡まり方の妙。
発される言葉はなくても
身体から言葉が
湧き上がってくる。

カルメンから着想された作品
…とは思えない(!)
アメリカ内陸部を彷彿させる
ガレージダイナーが舞台。
ペラリとしたワンピースに、
デニムと白いTシャツ。

生オケで流れるカルメン組曲が
場に緩急をつける。
ストーリーアレンジに唸らされる。
話としては映画的。
ハラハラもするし、ラストも良かった。

ファム・ファタールの存在は
カルメンから離れぬようになのかしら
なんて邪推もしたり。

ステージ上の光と影を操り、
場面は滑らかにダイナーからBar、
刑務所、そして再びダイナーへと
弧を描くように展開していく。
モタモタしない早さはとても現代的。
バレエであることを忘れるくらい。
(で、時々思い出す)

一見の価値ある作品でした。((ΦωΦ))