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フィッシュマンの涙のペジオのレビュー・感想・評価

フィッシュマンの涙(2015年製作の映画)
3.2
魚人間は泳ぐとき足は平泳ぎらしい

「突然変異」ってのは多分に受動的というか、外的要因に晒された結果起こるものなのか
だったら大衆の中に時代の寵児という「異物」を放り込んだ結果起こる右へ左へや、その大衆の空気から生まれる人権派弁護士や自称活動家みたいな(唾棄すべき)人達も同じ様なもんだな
そこに自分の意思は無いという点で(それすら気づいてない場合がほとんどだろうから始末が悪い。)
断固たる決意という内的要因によって起こる能動的な変異こそ「進化」と呼ばれるのかもしれない

ドキュメンタリーという要素もあるからか、一つの事象から全方位的にテーマを盛り込んでいるので、一つ一つの要素は浅く感じる向きもあるが、逆にそれが人間の軽薄さの風刺にも繋がっている感じもある(多分偶然だろうが)
ハード過ぎるとこの独特なシュールさが無くなってしまうだろうから、この位のバランスで正解だと思うけどなあ

「エレファントマン」や「フリークス」(あるいは「ジョニーは戦場に行った」もか)なんかの過去の「フリークス映画」によくある「サーカスで見世物にされる」っていう要素が殊更強調されていなかったのは、現代は既に「人類総見世物社会」なんだなと思った
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