ブタブタ

田園に死すのブタブタのレビュー・感想・評価

田園に死す(1974年製作の映画)
4.9
本作の「死んでください、お母さん」と身毒丸の
「お母さん、もう1度僕を妊娠してください」は対になっており寺山修司の母への愛憎が現れた台詞でそれだけ母が寺山修司の創作に与えた影響は絶大なのだと思います。

寺山修司の影響、オマージュ、パロディ、その他もろもろはもはや星の数程有りますがその短い生涯で残した数少ない映画作品の一作で、少年期から青年期そして現在を辿る半自伝的作品であり「捏造し演出された人生」
妄想の中ですら殺せない寺山の母親は愛する母であると同時に寺山の人生における最大の障害でそれこそラスボスの様な存在なのだろうし、東京へ逃れても自分自身の幻想の中でまたそこに寺山を引き戻す程の強力な呪縛で寺山を愛するのと同時に苦しめている。

「新宿区新宿字恐れ山」

『新世紀エヴァンゲリオン』『少女革命ウテナ』のラスト。
全ては芝居であり虚構、セットが崩れて現実が姿を現す。
しかしそれもTVや映画や舞台といった虚構の世界の中の出来事。
ブタブタ

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