Urakata1113

淵に立つのUrakata1113のネタバレレビュー・内容・結末

淵に立つ(2016年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

1:緊張感:★★★☆☆
本作は、平穏な家庭に現れた元服役者の登場によって、じわじわと不穏な空気が漂いはじめるストーリーです。サスペンス要素と日常のリアリズムが絶妙に交錯し、不安と興味を抱かせ続けます。

2:登場人物:★★★★☆
静かなトーンの中で、登場人物の感情や心理の揺れが繊細に描かれています。特に浅野忠信の演じる八坂は、何を考えているか分からない不気味さと同時に人間らしさも感じさせる演技で、物語の核心を担います。

3:テーマ:★★★☆☆
家族の再生 や 赦し 過去の罪 といったテーマが根底にあり、登場人物それぞれが何を受け入れ、何を拒むかという問いが投げかけられます。決して一方的な善悪で語られない点が、本作の深みとなっています。

4:カンヌ国際映画祭:★★★★★
本作は2016年のカンヌ国際映画祭 ある視点 部門で審査員賞を受賞しています。これは、国際的にも評価された高い芸術性と物語性の証と言えるでしょう。

5:沈黙:★★★☆☆
音楽の使い方が非常に抑制されており、無音や沈黙の時間が逆に緊張感を生み出しています。この静けさが、想像力を刺激し、映像に重層的な意味を持たせています。
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