さむ

淵に立つのさむのレビュー・感想・評価

淵に立つ(2016年製作の映画)
4.0
「あの男が現れるまで、私たちは家族だった」

実にシニカルなキャッチコピーである。
実際には、「あの男が現れるまで、私たちは疑似家族だった」ではないか。
それは古舘寛治も、彼のセリフの中で語っているのだが。

ただし、「家族」をどう定義づけるかによって、感じ方はそれぞれ違う。

家族とは、互いに秘密を隠し合うもので、外観が家族に見えればよし、とする人。
家族とは、どんな秘密も打ち明け合い、互いの過去の過ちを受け入れるもの、とする人。

本作における、罪と罰との因果応報な関係性については、個人的には受け入れがたい概念である。海外で受けた理由は、宗教的な土壌によるものなのかもしれない。
「前後裁断」に救いを求めて生きている自分には、おそらく縁遠い物語なのだろう。
さむ

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