ルイまる子

淵に立つのルイまる子のレビュー・感想・評価

淵に立つ(2016年製作の映画)
5.0
やっぱ浅野忠信ってすごいね。あの、白いつなぎを駆け出しながら脱いで行く姿目に焼き付いている。中には真っ赤なTシャツを着ていた。ずっと自分の罪を償いながら静かに生きて行きたいと語っていた僧の様な男の内側は、怒りが煮えたぎるラバだったのか、一旦蓋を開けるともう閉める事はできないのだ。無表情なのに、それが全身に表れていた。

【ネタバレあり】

最後一列に並んで寝転ぶ姿はむしろユーモラスだった。誰が死んだか未だ生きているかは余り重要ではない。喩え生きていても、又ずっと罪に苛まれ、苦しみ続け同じ事を繰り返すのだろうから。

素晴らしい映画。ここまでの作品は滅多にない。「罪と罰」深淵なテーマだ。生きるとは、罪とは、罰とは、因縁とは。でも相当大人でないとこのテーマは解らないと思う。成熟した地、ヨーロッパで大絶賛された理由わかります。
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