罪の意識と戦う話なのだろうか。
罪を犯した男のもとに訪れた罰。長年男を苦しめたその罰はある日消えた。
最後のその消失は赦しか、解放か。
正直、ホッとしている自分がいた。主人公もそうだと思う。残酷な話だが。
苦しみから開放されたいと思う→開放される(しかし希望とは違った形で)
という流れはジェイコブズの「猿の手」を彷彿とさせる。
その意味では寓話めいた映画だと言える。
本当ならば主人公が八坂のポジションになっていた可能性があったのは劇中でも語られていた通り。
「俺がこんな(幸福そうな)生活を送っていていいのか」という後ろめたさはあったはず。
そのプラスの状態が、プラマイゼロに戻るまでの話、と見ることもできる。
単純に人間ドラマとして見ると「悪いことするとしっぺ返し食らうなぁ」「この男が現れなければなぁ」と思うこと請け合い。
浅野忠信の怪演は見事。
ところでこの映画を見て初めて不倫の良さが分かった