このレビューはネタバレを含みます
こういう映画を見ると、自分とは程遠いな、と思う反面、自分の感情のどこかにもその一端があっていつ何時加害者や被害者になるかもしれない。
そう思うことがある。
そして映画を見るたびにいつもハッピーエンドの童話を思い出す。
例えばシンデレラ。ラストは王子様と幸せになるエンディングだが、人生はそのあとも続く。ハッピーエンドの向こう側。
この映画もそう、バッドエンドの向こう側がある。そういう意味ではとても衝撃的な終わりと言える。
この作品がなんでこんなにもダメージが多いか。
前半の言葉と後半の行動があまりにもかけ離れているからだろう。
・章江はプロテスタント(自殺は禁忌)→自殺しようとする
・章江は母グモの自己犠牲を肯定(天国に行けるという)→自分の娘を殺そうとしてしまう。
・サル型と猫型の話で自分はサル型だと思うと話す→自殺することで信仰心は無意味に近いものと感じる
もちろんそうなってしまうほどの衝撃だったのだろう。だから余計に重くのしかかる。
最後の暗転からの息遣い。最後まで盲目的な主人公を表しているように感じた。