きゃん

淵に立つのきゃんのレビュー・感想・評価

淵に立つ(2016年製作の映画)
3.7
どこにでもいそうな中年夫婦と幼い娘の3人家族が、謎の男との同居をきっかけに歯車が狂い始め崩壊していく様子を描いた作品。ひたすら異常な緊張感と不安感に包まれている。

郊外で小さな金属加工工場を営む鈴岡家。ある日夫が家族に相談もなく、前科者の旧友の八坂を雇い入れ自宅に住まわせる。戸惑いながらも、奇妙な共同生活を始める一家だったが…

浅野忠信さんがめちゃくちゃ怖かった。ミステリアスで何かしでかしそう感を漂わせていた。穏やかすぎる話し方が逆に怖すぎた。白い作業着をぐと赤いTシャツが現れるシーンの戦慄が走った。白と赤の使い方が絶妙。

鈴岡家の家族にも異様さがあった。冒頭の食卓を囲む食事シーンではとても仲睦まじい家族には見えなかった。娘が話す中、母親は反応するが父親は無言でもくもくと食べ続ける。母娘の会話も食事中にする話じゃなかったけど。父親の無能さが所々に出ていた。モヤモヤした終わり方で後味が悪かった。
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