タジマメカ

淵に立つのタジマメカのレビュー・感想・評価

淵に立つ(2016年製作の映画)
4.5
ギャフンギャフン!!

「他人ん家」の気持ち悪さ、そしてその「他人の家に上がり込む異物」の気持ち悪さ。屋内で見るゴキブリが、屋外で見るゴキブリに比べて遥かに嫌悪感を引き起こすのは、私たちが屋内にいるゴキブリの背景に、ゴキブリが生活を営んでいる環境を見るからである。異物そのものではない、異物が営々と、食って寝て、相互に関わり合って生きている、そしてその相互関係の中に、知らず知らず自分自身も組み込まれ、異物の生活に協力している。その事実に震えるのである。
「異物」である八坂を家に引き入れたこと、そしてその異物を受け入れて生活させたこと、夫婦はあらゆる意味で共犯である。

全てのセリフ・カットが意味深に語りかけてくるが、ラストの人工呼吸の順番はかなりゾッとした。
それにしても、やはり恐るべき俳優だな、浅野忠信!
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