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ピンク・フラミンゴのSのネタバレレビュー・内容・結末

ピンク・フラミンゴ(1972年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

世界で最もお下劣な映画と称され、公開時に深夜で上映されたカルト映画「ミッドナイトムービー」の代表作。

「世界一下品な人間」と呼ばれるオカマのディヴァイン(神)は、個性あふれる変態家族や友達と一緒にトレーラーハウスで生活している。
赤ん坊の人身売買で稼いでいるコニーとレイモンドの夫妻は、自分達こそが世界一お下劣であるという対抗意識を燃やす。
彼らはディヴァイン一家について調べるために、ディヴァインの息子であるクラッカーの元にクッキーという女スパイを送り込む。

性器の露出、吐物と汚物にまみれた汚すぎる映像、動物愛護団体を激怒させた鶏に対する獣姦などモラルが吹き飛んでしまうほどのグロテスクな描写は、多方面にさまざまな影響を与えたとされ、悪趣味映画の枠を超えた知名度を獲得したという。

ディヴァインが犬の糞を食す強烈なラスト・シーン。噂に聞いていたし、『ソドムの市』も観ているが、流石に壮絶だった。
そのような閲覧注意の演出はさて置き、素人が撮ったかのような低予算の荒々しいカラーのフィルム映像、ポップかつ、キッチュな色彩の美術と衣装など、徹底した世界感は好み。

これほどサイテーでサイコーな映画は他にない。
公開時はアメリカ版『アンダルシアの犬』とのキャッチコピーが付けられていたそう。
作風は全く違うが、怖いもの見たさ、見てはいけないと言われるほどに見たくなるという人間の心理を突いた問題作という点では共通しているのか。

ジョン・ウォーターズ監督自ら出演、解説付きの未公開シーンを含んだノーカット特別版で鑑賞。

2022/05/23 DVD
【ノーカット特別版】
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