抹茶マラカス

ソング・オブ・ラホールの抹茶マラカスのレビュー・感想・評価

ソング・オブ・ラホール(2015年製作の映画)
4.4
今見るべき映画でもある。(勿論アフガニスタンへの想いを馳せて、だ。)
イスラム教は音楽を禁止している、というちょっと理解できない状況下でパキスタンの音楽は死滅しかけていた。優秀な音楽家は暗殺されるか、転職する。そんな中、伝統音楽を廃れさせないために民族音楽とジャズとのミックスを試みた人々が、世界中に評価され、ニューヨークでのジャズコンサートにゲストとして呼ばれる晴れ舞台までを追う。
前半は、イスラム教における音楽を続ける難しさ、後半は世界トップレベルのジャズ楽団とのリハーサルで四苦八苦する様子が描かれるが、その大団円となる本番を含めて描かれるのは音楽の根源的な自由と楽しさである。例えば昨年なら「エイブのキッチンストーリー」が食でその融合を説いたが、ドキュメンタリーでこれを見せられると、演奏中の彼らの顔が何よりも雄弁で、感動する