ヘンダーソン

ソング・オブ・ラホールのヘンダーソンのレビュー・感想・評価

ソング・オブ・ラホール(2015年製作の映画)
4.4
何しろ音楽をやるという意味合いが全く違う。覚悟が違うのだ。この伝統を自分で終わらせてたまるかという恐怖にも似た決意。
ジャズを伝統楽器を使ってカバーするのも、お金が欲しいとかそんなじゃなく、単純にこのラホールを廃れさせないため。 

政治的に、宗教的に迫害され、音楽を奏でることそのものが罪になってしまう。そんなことがこの日本で想像出来るだろうか。
虐げられたものの音楽。伝統の継承者達の勇気ある活動に胸が震える。

ラストはアメリカのジャズアンサンブルと共演した彼らが、世界中から演奏依頼を受ける。経済的にも文化の継承という意味でも希望に満ちた終わり方がとてもよかった。

西洋以外の音楽について勉強してみようかということで今作を観た自分の視点が、既に上から目線であったことに気付き反省した。