マツモトタクシー

ソング・オブ・ラホールのマツモトタクシーのレビュー・感想・評価

ソング・オブ・ラホール(2015年製作の映画)
4.6
シャルミード・オベイド=チノイ監督作品



パキスタンのラホールで伝統音楽を演奏しているサッチャル・ジャズ・アンサンブルのドキュメンタリー🇵🇰


全盛期には映画スタジオに沢山のミュージシャンが集まり日々録音を繰り返していた
軍事政権になり芸術文化が弾圧され音楽も禁止され演奏することが困難になる
音楽の家系はカーストでも最下層
生活も成り立たず別の職業に就く者も多く散り散りになっていく

彼等が住むラホールにタリバンが流れ込み楽器を持っているだけで襲われるようになる
虐げられながらも誇りを持って音楽を後継者に継承したりしているが音が漏れないように密かに自宅で演奏する

国内ではキーボードや電子音楽が主流になり益々伝統音楽は忘れられた存在になりこのままではパキスタンで伝統音楽が廃れてしまう。。

一計を案じたスタジオ創設者でプロデューサーのイザード・マジードと指揮者で中心メンバーのニジャート・アリが今やジャズのスタンダードでもある「テイク・ファイブ」をアジア風にカバーすることを思い付く

これが瞬く間に大ヒット❗
トランペッターのウィントン・マルサリスの楽団とNYで共演することになる🎺


前半はパキスタンの音楽事情を紹介
後半はマルサリス楽団とのリハーサルの様子と本番の模様を撮影


正にリアル「セッション」
色々な文化がちがうので合図1つ最初は合わない💦
観ているだけでお腹が痛くなってくる💦
要領が分からず狼狽えるメンバー達
しかし徐々にリズム隊は馴染んでいくがでも結局メインのメロディを弾くシタール奏者は何故かはまらない。。

次の日もシタールは演奏出来ず苛立つマルサリスはシタール無しを提案
それを一旦受け入れるが諦めきれず急遽NYで何処からかシタール奏者を調達
結局彼が舞台に立つことに

本番はタブラとドラムのソロのリズム合戦やフルートとバーンスリ?という横笛ソロ対決🥁
タブラも素晴らしいけどこのバーキル・アッバースというバーンスリ奏者は自身で楽器も作っておりこの人のソロ演奏が圧巻だった🎵
僕はリズムだけで音階はわからないけど管楽器をやったことのある方はこの人の奏法がより凄いと解るんじゃないかと思った☺️


「パキスタンにはテロリストだけじゃなく音楽家もいることを知って欲しい」
ニジャート・アリの言葉に胸が熱くなった😀
やはり音楽の力は素晴らしい🎵