cinemaiquot

祭りと招待客/パーティーと招待客のcinemaiquotのレビュー・感想・評価

3.5
この映画は台詞や出来事に込められた寓意に満ちていて、そこで起きている出来事をちゃんと理解するには、チェコスロバキアの近現代史の知識が必要だと思われる。
おそらくパーティーは全体主義国家、主催者はその最高権力者、客は様々だか権力に取り込まれた知識人や粗野な田舎者など民衆を表している。
ただ主催者の両隣の席を言うときに右盗、左盗という言葉が出てきたので、主催者を十字架のキリスト、両隣をその左右の十字架につけられた強盗と解するようにも仕掛けられている気がする。そこからさらに進んで天上での祝宴の光景も想起させる。

それにしてもスクリーンの中の客たちが一斉にこちらを見るショットには、なにかはっとさせられるものがある。一番印象に残ったのは何度か繰り返されるあのカットと、養子ルドルフの演技だろうか。
cinemaiquot

cinemaiquot