叡福寺清子

私の居場所の見つけかたの叡福寺清子のレビュー・感想・評価

私の居場所の見つけかた(2016年製作の映画)
2.8
我が国には因果応報という言葉がある.似たような言葉はどこにでもあるんだよね,よー知らんけど.母親であるリタもルーシーも作中なんども悪態をつく.無論本人たちの力ではどうしようもない事は起きるだろうが,中にはまさに自分が悪いんじゃんという事にも悪態をつく.例えばポンコツ車のマフラーが落ちるのもギアが入らないのもメンテしてないからでそ,なんでこの世の終わりみたいなキレ方するの?と思ってしまった.おかげで居場所となるダイナーにたどり着くから世の中わからんもんやね,だけどさ.
そのダイナー.心優しきアンクル・マーティーとTFのパムという構成.被差別者と保護者という構図だとすると上手く機能していなかったように感じる.ルーシーがいなきゃどうなってたの?って事が結構多かった.結局リタもルーシーに強く依存してたって事のかぶせネタって意味だったのかしら.
その依存症であるが,アル中の描き方がちょっとヌルい.特にリー歯科医.リタとリー医師が親睦を深める場が断酒会であることを何人が気づいたんだろう.断酒がリタのまっとうな生活に戻るための必要条件であることを考えると,ここの情報はもうちょっとあってもよかったのではないかと思った次第.
その依存症であるが,幸福が訪れるとその後必ず不幸が起こると警戒して今の幸せを噛み締めないという不幸依存症という症状からルーシーちゃんが改善されるといいな.