MasaichiYaguchi

西遊記 ヒーロー・イズ・バックのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

3.6
中国で2015年に公開され、アニメーション映画として大ヒットして日本円で約192億円の興行成績を打ち立てた本作で描かれるのは孫悟空と少年の友情物語。
妖怪達に襲われた女の赤ちゃんを守ろうと五行山に迷い込んだ孤児の少年リュウアーが、天界で大暴れして、お釈迦様に罰としてその山に封じ込められた孫悟空と出会ったところから本格的に物語が始まる。
中国四大奇書、中国四大名著の一つである西遊記は実写版でテレビドラマ化されて日本でもよく知られているが、この映画で描かれた物語はオリジナルで「外伝」のような作品になっている。
中国の3DCGアニメーション映画を初めて観たが、ハリウッドや日本のアニメーションとも違う、独特なキャラクター造形と色使い、アクションもカンフーを主体にしたものになっている。
本作には西遊記でお馴染みの妖怪・猪八戒をお供に妖怪軍団と戦いながら彼らは長安を目指して行く。
やっと拘束を解かれ、自由になった孫悟空にとって足手まといな存在でしか過ぎなかったリュウアーが、旅をしていく中で段々孫悟空にとって大切な存在になっていく展開が心の琴線に触れる。
リュウアーのお師匠様も打ち揃っての妖怪軍団との最終決戦は3DCGの奥行きをはじめとした空間の広がりを活かして怒涛に繰り広げられる。
仏教の良いことや思いやりのあることを思えば、良いことや思いやりのあることをするという「良いカルマ」を軸にした本作は、孫悟空が純真で優しく勇敢な少年リュウアーと触れ合う中で変わっていく成長物語でもある。
ラスボスとの戦いの後に訪れる思わぬ感動、その余韻が続くエンドロールでは素敵な結末が待っています。