ぬーたん

潜入者のぬーたんのレビュー・感想・評価

潜入者(2015年製作の映画)
3.7
1980年代、コロンビアの麻薬王パブロ・エスコバルの組織内部に潜入したアメリカ税関の捜査官の実話。
主役の捜査官ロバート・メイザーをブライアン・クランストン。
どうしても『ブレイキング・バッド』のイメージが強いな。
最近でこそ映画もたくさん出てはいるが、遅咲き俳優で既に62歳。
そしてトミー・リーちゃん並みに深い皺が顔に刻まれていて、どうしても年より老けて見えちゃう。
この役を演じるには少し年がいき過ぎていて、実話ではその後も活躍した云々が、どうにもリアリティーがなくなってしまう。
命がけシーンでは気の毒な感じが先に立つのよね。
少しいたわれよっと言いたくなったりして。
演技力はあるし、渋くて好きな俳優だけど。
同じく潜入捜査官のエミール・アブレブをジョン・レグイザモ。
この俳優さん、こういう役をやらせたら絶品。
コロンビア出身だし、演技も上手くコメディアンでもあるし、甲高い声がまたチンピラ風でピッタリ。
内に秘めた情熱や執念も感じるし、あっけに取られた茫然自失の表情も良かった。
同じく潜入捜査官でロバートの婚約者役キャシーをダイアン・クルーガー。
美しいなあ。40歳を超えているとは思えない若々しさで、モデル出身のスタイルも抜群で、豪華で派手な衣装が映える。
何に出演していたかと聞かれると『アンノウン』位しか印象がないのは不思議だけど、意外と主役の邪魔をしない存在という、あっさりした女優という感じ。
アルカイノをベンジャミン・ブラッド。
日本で言えば(この例えが好きでして💦)エクボがキュートな沢村一樹。
カッコ良かった。シュっとしてて色気があった。
声も良いし、何だか人柄も良くて、最後はウルッとしちゃいましたわ。
奥さん役は『ワンダーウーマン』のエレナ・アナヤ。
綺麗だし、夫とお似合い。

組織のトップに向かっていくのだが、途中で誰で、組織のどういう役割か混乱してくる。あれ?これ誰だっけ?
サングラスやらヒゲやらで記憶するものの、有名俳優というわけではないし南米系の名前は覚えにくいし、こんがらがる。
まあいいか、と進む。調べるのも面倒だし、捜査の仕方も良く分からないし。
話はポンポン進み飽きることはないし、実話ベースなのでやっぱり興味もあるし、面白かった。
ただ、どうも腑に落ちない行動が結構あって、どこまで実話なのかなあ?と考えながら観たけど。
覆面捜査なのに同じ町で家族と外食したり、結構堂々と家で録音のチェックの仕事したり。
更には局止め郵便を家の中にポンと置いたり、ちょっと考えられない程、無防備で緩い行動をしている。
ひとりなら良いが家族が居るし、どうなんだろう?
報復を恐れるかと思いきや、その気配もなく、案外、平気で仕事を続け家庭も円満というのが、日本人には理解し難いことかも。
お約束のご本人との比較写真も、やっぱり楽しいね。
80年代を意識した内装や衣装も、その時代の映画を思い出し何だか懐かしさを感じて良かったわ。
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