あさずきとうか

ロスト・バケーションのあさずきとうかのレビュー・感想・評価

ロスト・バケーション(2016年製作の映画)
4.1
サメ映画定番のパニックものではなく、サメのいる海から脱出するソリッド・シチュエーションの色合いが濃い本作。
海の『ゼロ・グラビティ』という感じでしょうか。
一介のサメ映画とは一味違う面白さがありました。

物語には2つの“時間制限”があって、1つは流血要素による制限。
血の匂いに敏感なサメが見張っているせいで、海に入って行動する時間が限られています。
一歩間違ったらサメに見つかり食われてしまうので、非常にハラハラします。
そしてもう1つは満潮による制限。
逃げ延びてる小さな岩礁は、いずれ満ち潮によって海に沈んでしまうのです。
悠長に助けを待っている場合ではありません。

これらの時間制限のおかげで、否が応でも自発的に行動せざるを得ないため、物語が非常にタイトに引き締まっています。

しかし、こんなに真摯にサメを描いた映画を観たのは久しぶりだなあ……。
ていうか、そもそも僕は『ジョーズ』と『ディープ・ブルー』くらいしか、まともなヤツを観たことがなかったかも。
最近では竜巻と一緒に襲来してきたり、オクトパスと対決してたり、アサイラム制作のアレなイメージが強いのでね(笑)