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ロスト・バケーションのbutasuのレビュー・感想・評価

ロスト・バケーション(2016年製作の映画)
4.0
よくあるB級サメ映画かと舐めてかかっていたが、これは面白い!完全にワンシチュエーションのみで構成されている映画であり展開に全く無駄がなく、90分以下の短い時間でテンポ良く進む。

しかしながら主人公が味わう絶望感は物凄く、観ているこちら側も彼女と一緒にハラハラしたり恐怖したり悲しくなったりする。主人公がこの手の映画にありがちな馬鹿ではなく、賢く勇気ある女性である点も素晴らしい。彼女は泣き言を言わず、どんな状況でも常に頭を巡らせて最善の行動をとっていく。医学部だったり変わった形のピアスだったりの多少のご都合主義はご愛嬌。母の死で心に傷を負い医療の道を諦めているという設定も良いし、頑固な性格も良い。戦うことを諦めていた主人公が戦う覚悟を決める流れは、観ていて胸が熱くなる。

映像も上手く、限定された舞台にも関わらず観ていてちっとも飽きない。高い演出力を感じさせる。

邦題のダサさは何とかならないものかね。
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