茜

ロスト・バケーションの茜のレビュー・感想・評価

ロスト・バケーション(2016年製作の映画)
3.5
今日みたいな夏日にぴったりの映画でした。
ロケ地は世界遺産にもなっているオーストラリアの島だそうで、果てしなく広がる海景色が開放的でヴァーチャル観光してる気分。
大きなスクリーンで観たらもっと素敵だったんだろうなー。

今やコメディと化しているサメパニックですが、こちらは至って正統派の真面目な作り。
ブレイク・ライブリーのスポーティーで健康的なイメージからか、水着姿でも妙なイヤらしさは感じられず健全な雰囲気。
設定も至ってシンプルで、サメに襲われ岸から180mの岩場に取り残された!という絶体絶命ワンシチュエーション。
ヘリを使って撮影するシーンでは、スタッフ陣が映り込まないようブレイク・ライブリーは実際一人ぼっちで海に取り残されたっていうんだから演技にもリアリティがある。
サメは勿論CGで、じっくり見たら偽物っぽさがあるものの、予算も大きいだろうしチープさは感じられない。

サメに噛まれた傷をネックレスとピアスで縫合するシーンがリアルに痛そうで思わず表情が歪む…こういうの下手なグロゴアより生々しくて苦手。
行動やポジティブな言葉を口に出す事で、お客への状況説明と自身への励ましという両方の役割を果たしてるように感じたんだけど、そこもリアリティあったな。
たった一人で絶望的な状況に追い込まれた時に、ああやって言葉を発する事は精神衛生上良さそう…。

緊迫した状況の中で、同じく負傷したカモメとの触れ合いが唯一の救いになっています。
徐々に体力が落ちて顔色が悪くなる主人公の状況にハラハラする反面、一人と一羽の友情物語も気になっちゃう。
このカモメも絶対CGだろうなと思って後々調べたらまさかの本物だったとは…。

大衆向けの適度な痛々しさと適度なハラハラアクションもあり、万人に薦めやすい硬派パニックムービーでした。
茜