「私は売り物じゃない」
今年のベスト級。
ベイビードライバーといい、今年は音楽映画が胸を熱くする。
女性が歌うことは法律で禁止されている。
味方だと思っていた母親はソニータを嫁に売り飛ばすことで多額の金が手に入るため、何としても歌手を諦めさせ売ろうとする。
「まるで食べられるために育てられた羊のよう」
「私は目も耳もある人間だ」
ソニータのラップが胸を、魂を震わせる。
ドキュメンタリー映画で最も重要なのは被写体との距離感と、どこかのドキュメンタリー監督の言葉がある。
その点において、本作の監督はドキュメンタリー映画でやっちゃいけないことをしているが、でもそれをしなきゃ撮影すらままならなかったのだから仕方ないだろう。
グラウンドファンディングを募る映画なのでDVD化は恐らくしないだろう。
観られる環境にある人は多少遠くても遠征する価値はある必見の一本。
ラップは三木道三しか知らないそこのアナタでも楽しめるから大丈夫(自分のこと)