仄暗い洞窟のあるぱか

ソニータの仄暗い洞窟のあるぱかのネタバレレビュー・内容・結末

ソニータ(2015年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

私はヒップホップは好きだけど、(disりがち)ラップは好きじゃなくて、でもソニータのラップは全く別物で、リアルな叫びで胸に響いた。
怒り、悲しみをパワーに変えて、力強い。加えて、ティーンの女の子と思えない巧さ。
『息をひそめて』始まるラップに一発で掴まれた。

ソニータが『私を買って』と言ってカメラを見上げるシーンとかドキッとしたり(ソニータが美人過ぎるからフィクションっぽくて)、ドキュメンタリーに見えない演出感あって、シナリオあるでしょ?て思ってしまった。

上映会での解説で、「監督が取材対象に介入するのは、ドキュメンタリーとして成立してないって意見もある」と聞いて、どーいう考え?って違和感を覚えた。
監督も巻き込むほど、『ソニータ』だったんだよ。それが起こったのをそのまま記録してるではないか?と思ったんです。

私は単純に監督さんがソニータに力を貸すことにしてくれて良かったと思ったし、それは同じ女性だったから、そうせずにはいられなかったのかも。

監督が手を差し伸べず、結果ソニータが自分の願う方向に進めなかったら、
この映画はきっと観客に広く受け入れられなかっただろうし、私はソニータの存在やアフガニスタンの女の子達の事を考える機会がなかったと思うので、本当に良かったと思います。
ソニータにも、その家族にも、監督にも、世間にも。

『裸足の季節』(トルコ)でも、少女たちの結婚の問題がありましたが、こうして、映画にして届けてくれるとせめて考えることができて有り難いです。