まるこ

ピーウィーのビッグ・ホリデーのまるこのレビュー・感想・評価

4.5
あのピーウィーが30年の時を超えて帰ってきた!二度も彼が逮捕された時、誰もがこう思ったに違いない―――もうピーウィーは見れないだろう、と。しかし、彼は帰ってきた。
さすがに、昔の冠番組「ピーウィーのプレイハウス」や、子供の心を持った大人が好きなティム・バートンによる映画「ピーウィーの大冒険」の時のような輝きは無いかもしれない。
だが、60歳を超えてもなお、彼のその瞳の奥には、あの頃ぼくたちが追い求めていたピーウィーがいた―――いや、たぶんいると思う。
子供番組「ピーウィーのプレイハウス」(原作・製作:ポール・ルーベンス)で最初に彼を見た時の衝撃を、忘れはしない。はじめに思ったのは、「何だ?この人は―――どういう種類の人なんだ?」だ。
今ではそう思ってしまった自分が恥ずかしい。種類なんかで分けられるはずがない。ピーウィーとはピーウィーそのものなのだ。
「ピーウィーのプレイハウス」―――それは、イスや変なロボットが喋ったり、恐竜が飛び回る世界。観客に何の説明もなく訪ねて来るカウボーイやキャプテン。それを相手しながらぴょんぴょん飛び跳ねるピーウィー。たまに奇声あげる。ラストはいつも隠し扉を開けて、引くほど速いキックスケーターで家を飛び出しそのままスタッフロールへ。意味がわからない。
私は圧倒されながらも、この混沌とした世界に魅了され、気づいたときにはもう手遅れだった。
(「ピーウィーのプレイハウス」もNetflixで見れます)
話は変わるが、映画「スパイキッズ」でアラン・カミングが演じたフループは、子供番組の司会者で、その立ち振る舞いはピーウィーそのものだ。
あの子供番組から得体のしれない狂気を感じ取り、そして魅了されてしまったのがロバート・ロドリゲスだと思うと感慨深いです。
そういうわけで、この「ピーウィーのビッグホリデー」はピーウィーを知ってる人にも知らない人にも見てほしい。ピーウィーを30年ぶりに蘇らせたNetflixさんに感謝。
まるこ

まるこ