ドント

最後の追跡のドントのレビュー・感想・評価

最後の追跡(2016年製作の映画)
3.5
2016年。面白かった。農場を手放したくない前科持ちの兄とカタギの弟が小さな銀行を連続して襲い、定年間近の保安官とその相棒がそれを追う大変渋いNetflix映画。
馬の代わりに車が出てきて、ご丁寧に先住民まで出てくる西部劇の趣きではあるが、舞台は現代のテキサス。モーゲージ・ローン破綻で貧困が蔓延し、カウボーイハットの男たちは老い、農場は死に絶えかけている。そんな中にいる西部のタフガイたちが、資本と銀行に仕返しをしようとする物語。
追う側追われる側を対にしたり、現代性を帯びさせたり、古きものが新しいものに追われていくのはこれが初めてではないことを語るなどする上手い脚本だけど、いささかおとなしすぎる気も。西部劇的開拓精神が支える広大さ雄大さはもはやなくなり、パサついて寂れきったテキサスの風景が目にしみる。「古き良きアメリカ」の最後の叫びとして記憶される映画なのかもしれない。ジイさんや自警団が強盗とみるやバシバシ撃ってくるのがめっちゃアメリカン。
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