plantseeds

最後の追跡のplantseedsのレビュー・感想・評価

最後の追跡(2016年製作の映画)
4.0
『貧乏という病気』
(劇中)

テイラー・シェリダン脚本作品。
ウィンドリバー、ボーダーラインが素晴らしく、
アメリカ辺境の状況を描いた作品群みたいで、
最後の1作を鑑賞しました。

兄弟が銀行強盗を繰り返し、
それをジェフブリッジス演じるレンジャーが追うという追走劇。
シンプルな構造ですが、
上記の作品もそうですが、その奥の、社会の闇を描く。

この兄弟がなぜ犯罪に手を染めるまでに至ったのか。
それは社会そのものの状況が、否応なく関わってくる。
犯罪だけを切り取ってしまえば、彼らの行動は肯定できないですが、
そのようにして犯罪に手を染めるしかできない、
貧しさから逃れるためにはそうするしかない、社会の現状にこそ問題があったりします。

自分も今は普通に生活できていますが、
決して裕福な家ではなかったので、このお話はなんとなく他人事ではありませんでした。

クリス・パイン演じる弟が言うセリフ。
「貧乏という病気」
重たいセリフですが、なかなかに響きました。
逃れたいと思っていても、それは世代を越え、追いかけてくる。
まさに、病気のように。

最新の話題作、パラサイトにもこういったものが入っていたり。
どこの国にも、こういった現状があるのかと思うと、気が滅入りそうになりますが…

ただ、現状はこうかもしれませんが、
自分としては、貧しさの中でも、心豊かに生活はできると信じている人間ですので、
心の豊かさ、自由というものを、常に持ち続けることができるのであるならば、
どんな状況でも乗り越えて行ける、しなやかな精神の強さになるのでしょう。

お金は大事であることには変わりはありませんが、
自分の心の豊かさ、充足度を絶対的に決める要因にはならないということです。
お金に囚われず、豊かに生きている周りの達人を参考に、自分も、豊かに、自由に生活していきたい。

そんなことを、この作品が描く「貧乏」、「お金」、「困窮」の内容から感じたことをまとめました。

脱線失礼いたしました!
重めの内容になってしまいましたが、読んでいただいた方、ありがとうございます!
plantseeds

plantseeds