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最後の追跡のkamioriのネタバレレビュー・内容・結末

最後の追跡(2016年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

面白かった!
情報が断片的に開示されて、彼らがなぜ銀行強盗を行うのかが次第に明らかになっていく
『スリー・ビルボード』を思い出すようなスリリングな脚本です

クールな弟がなぜ野蛮な兄とタッグを組むのか、序盤はよくわからないのだけど、物語が進むにつれて納得感が出てくる
なんだかんだで兄弟の絆は強いんですよね

特に兄貴が意外と人情派で
弟に甥っ子と会うことを進めたりとか、自分が暮らす孤独なトレーラーハウスに昔の兄弟写真を飾っていたりする
『ゴールデン・リバー』の兄弟を連想しました

そんな兄の最後の日がかっこよすぎます
負傷した弟に発破をかけ、弟が逃げきれるように自らが囮になって派手に暴れ回る
途中で「俺にできるのは銀行強盗だけだ」と言っていたけれど、そんな彼なりの弟への愛情の示し方があのラストだったのかなと思います

銃撃戦のシーンはさすがテイラー・シェリダンという感じ
直前にウェットな人間の関わり合いがあるとしても、死ぬときは一瞬
その冷徹さにいつもしびれます
テキサスの大自然と、そのなかでの人の死のあっけなさは翌年の『ウィンド・リバー』を先取りしている感もあります

ネトフリのアクション映画でひさしぶりに当たりを引いた気がします

2020年77本目
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